ヨーロッパから見るカーテンの歴史
ヨーロッパから見るカーテンの歴史
現代の人の暮らしの中で、ほぼどのような家であっても用意されている家具が「カーテン」です。
窓に取り付けて必要なタイミングで引くことによって差し込む光を妨げ、部屋を暗くすることができます。
特に夜間の就寝の際には、朝日などが差し込んで起こされてしまうなどのケースを防ぐことができるようになりますし、室内を外から見えなくすることによってプライバシーを保つ作用もあります。
ではこのカーテンはどういった歴史を持っているのでしょうか。
まず歴史を見る上で、カーテンという言葉の語源は何かというと、これはラテン語で「覆う」という意味を持つ「Cortina」だとされています。
このラテン語は単純に「覆う」という意味だけではなく、「器」や「人の和」といったような意味もあるとされています。
また実際にかぐとして使用されてきた歴史についてですが、これについてはいつごろから使われるようになったのかということは定かにされていません。
一説には古代エジプト文明のころには、すでに天蓋つきベッドの覆いとして用いられていたとされています。
この天蓋つきベッドに用いられたカーテンは残念ながら現存していませんが、古代ローマ時代の絵画には、すでに使用されている様子が描かれています。
しかしこの頃はまだ、天蓋つきベッドに使われるというのが通常でしたから、現代のような窓に使うものとは性質が異なっているということには注意が必要です。
時代が進んで14世紀から15世紀ごろになると、ヨーロッパにてカーテンを窓につけるという文化が芽吹くようになりました。
とはいえこの時代に使われているものも、光が差し込むのを防ぐという役割よりは、窓そのものを飾り立てるという糸が強かったとされています。
当時はガラスが非常に貴重であり、大量生産ができないような時代でしたから、ガラスの窓を持っているということは裕福さのシンボルとなっていたのです。
ガラスの窓は存在しているだけで価値があるものでしたから、あくまでも当時はガラスの窓を飾り立てるための存在だったのです。
そしてさらに時代が流れて19世紀ごろになると、ヨーロッパにて現代のようなレープとレースの二つを併用するスタイルのカーテンが普及し始めるようになります。
現在存在しているもののルーツは、19世紀のヨーロッパにあるといえるでしょう。
昨今では素材の進化などから、遮光だけではなく遮音や断熱などの用途にも使われるようになっていますから、現代であっても進化を続ける存在であるといえます。